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基本的な知識がある。 PER(株価収益率)、ROE(リターン・オン・エクィティ/株主資本利益率)、時価総額というような言葉を聞いたことがあるだろう。
経済に関する情報は、どうしても、普段使わない特殊な用語を含んでいる。 そういう用語が何を意味しているか、ある程度は知っておいた方がいい。

そうしないと、経済に関する情報は頭を素通りしてしまう。 実は、メディアに登場する経済評論家などの間でも、こういう言葉はきちんと理解されずに使われている。
時価総額の意味が理解されていれば、Sが掲げた「時価総額極大化経営」が、あれほど称賛されたはずがない。 用語の意味を正しく理解している人は、「IT革命だから、PERなどの旧来の指標は当てはまらない」などとは決して言わないはずなのだ。
こういう証券用語に関する知識は、日本では、学校教育のカリキュラムに取り入れられていないから、正しく理解している人は非常に少ない。 これから述べることは、私が、証券会社で仕事をやりながら身につけた、いわば、職人的な知識である。
会計士や税理士の試験勉強をするわけではないから、細かいところを厳密に理解する必要はない。 経済情報を正しく理解するための知識としては、この程度で十分だと思う。
手元に500万円の資金があるとして、だいぶ割安ではあるが、マンションの1階部分を500万円で買って喫茶店を始めることを考えよう。 これくらいの規模のビジネスであれば、リアルに感じられる。
会社を成り立たせる原理は、規模によって変わらない。 どんな巨大企業であっても、原理はこの喫茶店と同じである。
まず、マンションを担保にして400万円を銀行から借りて、テーブル、イス、装飾品、台所設備、カップなど、喫茶店の営業に必要な物品を揃える。 最後に、「5年間は返せない」と断って、友人から100万円を借り集めて、コーヒー豆を買い、アルバイトを雇えば、喫茶店が始められる。
銀行には年3%、友人には年5%の利息を払うことにしておく。 この喫茶店に証券用語を当てはめてみる。

まず、手元の500万円は株式会社で言えば資本金である。 銀行から借りた400万円が短期負債、友人から借りた100万円が長期負債である。
短期のカネを貸す銀行は、喫茶店の経営状態を見張っていて、儲けが少ないと見ると、担保の追加や、融資の返済を迫ってくる。 友人から借りた100万円は、当面、経営状態が悪化しても返済を迫られることはない。

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